日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻1号

Isomerization of chiral pesticides in the environment
キラル農薬の環境中での異性化


Toshiyuki Katagi
片木敏行


日本農薬学会誌 37, 1-14 (2012) [抄録/PDF]

キラル農薬の各異性体が対象生物に対して異なる生物活性を呈する場合,生物活性の最も強い異性体を農薬として使用することは,非活性体の不要な環境負荷を減らすとともに,好ましくない生態系へのリスクや摂食リスクを可能な限り除く点からも望まれる.しかし,環境中で異性化が進行すると,光学純度を高めた農薬を使用する優位性が損なわれてしまう.より正確なキラル農薬のリスク評価を行う観点から,分解挙動や生態影響におけるエナンチオ選択性を評価するためにも,加水分解,光分解,土壌・植物での代謝分解における異性化を評価する必要がある.


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