日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻1号

Behavior of nursery-box-applied imidacloprid in micro paddy lysimeter
小型水田ライシメータにおける箱施用イミダクロプリドの挙動


Dang Quoc Thuyet, Hirozumi Watanabe, Kazuhiro Takagi, Kenichi Yamazaki, Dang Thi Tuyet Nhung
Dang Quoc Thuyet,渡邊裕純,高木和広,山崎健一,Dang Thi Tuyet Nhung


日本農薬学会誌 37, 20-27 (2012) [抄録/PDF]

小型水田ライシメータを用いた移植前(BT)および播種時(AS)の2処理で散布された箱施用イミダクロプリド粒剤の水田環境における挙動モニタリングを行った.試験における施用量は,慣行施用量の3倍であった.実水田の水管理シナリオを用いた試験において,箱施用イミダクロプリド粒剤の小型水田ライシメータ内の田面水および土壌での挙動は,既報の水田圃場での同剤の挙動と同様であった.田面水中のイミダクロプリドのBTおよびAS処理区の散布後1日の最高濃度はそれぞれ189±36µg/Lおよび13.1±1.4µg/Lで,その半減期はそれぞれ2.5日と4.7日であった.移植後21日目の株間土壌層において,0〜2.5cmの土壌中濃度が最も高く,BTおよびAS処理区でそれぞれ65.6±0.4µg/kgと39.7± 4.9µg/kgであった.同様に,12.5〜15.0cmの株間土壌層では,BTおよびAS処理区のイミダクロプリド濃度がそれぞれ3.2±0.7µg/kgと13.7±3.8µg/kgであった.AS処理区の株元 0〜5cmの土壌層では,移植後21日目のイミダクロプリド濃度は895±4µg/kgであった.小型水田ライシメータは箱施用農薬の水田環境中での挙動モニタリングにおいて,簡便でこれまでの手法に代わるツールとなると考えられる.


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