日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻1号

Synthesis of novel aryl(4-substituted pyridin-3-yl)methyl carbamates and their herbicidal activity
アリール(4-置換ピリジン-3-イル)メチル カーバメート類の合成と除草活性


Hitoshi Nakayama, Tohru Koyanagi, Hiroshi Kikugawa, Makiko Sano, Ken Ohno, Kuni Fushikida, Jun'ichi Uenishi
中山仁志,小柳 徹,菊川弘司,佐野真喜子,大野 研,伏木田地,上西潤一


日本農薬学会誌 37, 45-55 (2012) [抄録/PDF]

既存の除草剤とは異なる新たな作用機構をもつ水田用除草剤を創製することを目的に,アルコール部分で縮合環とピリジン環とがメチル基に置換した構造をとる種々の新規カルバミン酸エステル誘導体を合成し,除草活性およびイネに対する薬害を検討した.その結果,ナフタレン-1-イル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]メチル N,N-ジメチルカーバメート(2a)が水田で多発するタイヌビエや各種の広葉雑草に対して優れた除草活性を有すると同時に,移植イネに対し薬害を示さないことを見出した.また一方の光学異性体(-)-2aがもう一方の光学異性体(+)-2aより高い除草活性を有することが判った.さらに,今回合成した除草活性化合物は,オブツシフォリオール14α-脱メチル化酵素の阻害剤として作用し,殺草作用を発現していると思われる.


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