日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻2号

Decrease in the matrix effect of GC/MS by a gold-plated ion source
GC/MSにおける金メッキイオン源を用いたマトリックス効果の低減


Kuniyo Sugitate, Hidetaka Anazawa, Sadao Nakamura, Norimichi Orikata, Kazushi Mizukoshi, Munetomo Nakamura, Akira Toriba, Kazuichi Hayakawa
杉立久仁代,穴沢秀峰,中村貞夫,折方紀道,水越一史,中村宗知,鳥羽陽,早川和一


日本農薬学会誌 37, 148-155 (2012) [抄録/PDF]

GC/MSによる農薬残留分析の問題点としてマトリックス効果と呼ばれる現象がある.厚生労働省通知の「GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農作物)」に準じて調製した作物を用いてマトリックス効果を調べたところ,すべての作物でマトリックス効果が見られた.注入口ライナーやカラムには不活性処理を施した種々の市販品があるが,イオン源については選択肢が存在しない.そこで,金メッキを施したイオン源を試作し,マトリックス効果を調べたところ,馬鈴薯,ほうれん草,オレンジ,玄米,大豆でそれぞれ平均12%, 9.8%, 5.0%, 25%, 16%軽減できた.特に玄米では顕著な軽減効果が見られ,より不活性なイオン源を用いることで,マトリックス成分とイオン源との相互作用が軽減できたものと示唆された.


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