日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻4号

Application of matrix-assisted laser-desorption/ionization time-of-flight mass spectrometry for the identification of alkylphenol polyethoxylate-degrading bacteria in the environment
MALDI-TOF MSによるアルキルフェノールポリエトキシレート分解菌の同定


Yudai Hotta, Manabu Wakayama, Kaduki Niwa, Akifumi Hosoda, Hiroto Tamura
堀田雄大,若山 学,丹羽香月,細田晃文,田村廣人


日本農薬学会誌 37, 305-311 (2012) [抄録/PDF/電子付録]

本研究では,日本の様々な地域の土壌から16株のオクチルフェノールポリエトキシレート(OPEOn)分解菌を単離し,OPEOnの最終代謝産物に基づき,それらを4つの生分解パターンに分類した.本研究で単離したOPEOn分解菌には,16Sr RNA遺伝子の塩基配列により,これまでにOPEOn分解菌として未報告のChelatococcusおよびMesorhizobium属細菌の存在が推定された.そこで,MALDI-TOF MSによる微生物同定法(S10-GERMS法)をOPEOn分解菌の迅速同定に適用した結果,本法が,環境由来のPseudomonas属細菌の株レベルでの識別だけでなく,ChelatococcusおよびMesorhizobium属菌株が,新種である可能性を示した.迅速な細菌同定法であるS10- GERMS法が,環境由来分解菌の同定およびモニタリングにも有用であることが示唆された.


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