日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻4号

Analysis of parameter uncertainty and sensitivity in PCPF-1 modeling for predicting concentrations of rice herbicides
PCPF-1モデルによる水稲用除草剤の濃度予測におけるパラメーターの不確実性・感度解析


Julien Boulange, Kei Kondo, Thai Khanh Phong, Hirozumi Watanabe
Julien Boulange,近藤 圭,Thai Khanh Phong,渡邊裕純


日本農薬学会誌 37, 323-332 (2012) [抄録/PDF]

本研究は,モンテカルロ法を用いた農薬動態予測モデルPCPF-1による確率論的評価法の手順を示し,モデル手法における不確実性について検討した.水稲用農薬4剤,メフェナセット,プレチラクロール,ベンスルフロンメチル,イマズスルフロンの基本シナリオを使用し感度解析を行い,除草剤と土壌の特性がモデル出力値へ及ぼす影響を解析した.不確実性の定量では,田面水中の農薬濃度の予測値は,水田土壌中のそれと比べ変動する傾向にあった.この傾向は,シミュレーションの後半に行くに従い減少していったが,水溶解度が高い場合や農薬溶解1次速度定数が高い場合にはこの傾向がシミュレーションの後期でも継続した.感度解析の結果から,PCPF-1のパラメーターの調整に注意を払うべきは,まず第1に農薬の土壌吸着に関連するもの(有機炭素含有量,土壌乾燥密度,体積含水率)と第2に農薬の田面水・水田土壌の質量分布にかかわるもの(農薬の溶解および溶出の1次速度定数)と農薬の分解に関連するパラメーターであることが示唆された.


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