日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Effects of novel meta-diamide insecticides on GABA type A receptors α1β2γ2 and α1β3γ2 and on glycine receptor α1β
新規メタジアミド殺虫化合物のGABAA受容体α1β2γ2, α1β3γ2とグリシン受容体α1βに対する影響


Toshifumi Nakao, Kangetsu Hirase
中尾 俊史, 平瀬 寒月


Journal of Pesticide Science 39, 144-151 (2014) [抄録/PDF]

新規メタジアミド殺虫化合物3-benzamido-N-[4-(perfluoropropan-2-yl)phenyl]benzamidesはショウジョウバエRDL GABA受容体膜貫通領域M3に位置するG336または、その近傍に作用するアンタゴニストであるこが示唆された。本研究ではヒトGABAA受容体α1β2γ2, 哺乳類GABAA受容体α1β3γ2、ヒトグリシン受容体α1βに対してメタジアミドのアンタゴニスト活性が低いことが示された。ドロソフィラRDL GABA受容体のG336がメタジアミドの高い活性に必須である。ヒトグリシン受容体α1でG336に相当する変異A288Gの影響を調べたところ、メタジアミドのアンタゴニスト活性は劇的に上がった。これは、グリシン受容体α1のA288がメタジアミドに対して低感受性であるために重要であることを示唆している。本研究はメタジアミドの昆虫RDL GABA受容体に対する選択性の機序を理解する上で有用である。


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