日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Plasma, erythrocyte membrane bound enzymes and tissue histopathology in male Wistar rats exposed to common insecticides
汎用殺虫剤を投与したウィスター系雄ラットにおける血漿、赤血球膜結合酵素および細胞組織の変化


Sarah Nwozo, Enor Akpodono, Babatunji Oyinloye

Journal of Pesticide Science 40, 13-18 (2015) [抄録/PDF]

ウィスター系ラットの雄に,低用量(LD50の1/4)のジクロルボス(DDVP),ラムダ-シハロトリン(LMB),シペルメトリン(CPM),イミダクロプリド(IMP)をそれぞれ3週間投与し,赤血球抗酸化酵素活性,細胞毒性のバイオマーカーおよび内臓器官の病理組織学的変化について調査した.DDVPとLMBを投与したラットにおいては,グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ活性,グルタチオン-S-トランスフェラーゼ活性,アセチルコリン量および体重に有意な減少が見られた.しかしながら,グルタチオン量が有意に減少したのは,DDVPとIMPを投与されたラットのみであった.一方,DDVP投与ラットの血漿,DDVP,CPM,およびIMP投与ラットの赤血球において,脂質過酸化反応がコントロールと比較して有意に亢進した.また,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとアラニンアミノトランスフェラーゼ活性の有意な上昇は,DDVPを投与した場合において見られたが,血漿中の尿素とクレアチニン量の変化に有意差はなかった.これらの結果は,病理組織学的変化と一致していた.(文責:編集事務局)


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