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Invertebrate nicotinic acetylcholine receptors 幾つかの線虫や昆虫ゲノムの解析につれて,遺伝子ファミリーの分子生物学的並びに機能的多様性およびそれらの機能的役割が加速的に理解されるようになってきた.ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)遺伝子ファミリーは,高速なシナプス伝達を介在し,殺虫剤として,また人体の抗寄生虫薬のターゲットとして注目されてきた.遺伝子モデル生物の自由生活線虫Caenorhabditis elegans,そして寄生線虫のBrugia malayiiのゲノムはすでに解読された.ショウジョウバエDrosophila melanogasterに続き,マラリア媒介種であるAnopheles gambiae,貯蔵農産物害虫であるTribolium castaneum,農業生産上極めて有益な蜜蜂Apis mellifera,その昆虫など,多くの生物のゲノムが入手できるようになってきた.いくつかの線虫nAChRファミリーは,多くのサブユニットアイソフォームで知られている大nAChRファミリーに属しているが,昆虫のnAChRファミリーはよりコンパクトである.しかし,昆虫のnAChRファミリーにおいても,選択的スプライシングやRNAエディティングによって同程度の分子生物学的多様性が確認されている.Lタイプ線虫レバミソール感受性nAChRおよびNタイプニコチン感受性nAChRを構成するサブユニットはすでに解析され,機能的に発現された.また,イミダクロプリド感受性nAChRも昆虫のαサブユニットを含むハイブリッド受容体を用いて発現された.これらの研究は,受容体ターゲットに基づいた新規動物用健康薬品や農業用薬剤のスクリーニングの有望性を提示している. (文責:編集事務局) |