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Iron-Porphyrin catalyzed oxidation of permethrin and fenvalerate
環境中での農薬の微量代謝分解物の化学構造を明らかにするため,効率良く代謝分解物を収集する様々な手段が講じられているが,本研究ではピレスロイド系殺虫剤の鉄ポルフィリンを触媒とする酸化手法への適用性を調べた.シクロプロピル基の1位を14Cで標識したトランスペルメトリン,およびクロロフェニル基あるいはフェノキシフェニル基を14Cで標識したフェンバレレートとそれらの部分構造であるジクロロビニル菊酸,フェノキシベンジルアルコールについてポルフィリン環のβ位,メソ位の置換基あるいは軸配位子が異なる6種の鉄ポルフィリンを触媒とし,過酸化水素およびメタクロロ過安息香酸を酸化剤とする酸化反応を行った.エーテルおよびエステル結合の開裂や芳香環の水酸化などの反応が認められ,一部は動植物や昆虫における代謝物と一致した.ポルフィリン環のβ位やメソ位に電子吸引基を導入すると反応率が上昇し,軸配位子が弱い電子供与基の場合には酸化反応性が上昇することが示唆された. |