日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文34巻4号

Improved PADDY model including photoisomerization and metabolic pathways for predicting pesticide behavior in paddy fields: Application to the herbicide pyriminobac-methyl
光異性化および代謝分解を考慮した水田における農薬挙動予測モデル(PADDY)の開発:除草剤ピリミノバックメチルへの適用


Keiya Inao, Hiroyuki Mizutani, Yasuhiro Yogo, Mitsumasa Ikeda
稲生圭哉,水谷浩之,與語靖洋,池田光政


日本農薬学会誌 34, 273-282 (2009) [抄録/PDF]

水稲用除草剤ピリミノバックメチルを対象とし,水田における光異性化および代謝分解を考慮した挙動予測が行えるようにPADDYモデルの改良を行った.田面水中におけるピリミノバックメチルE体とZ体間の異性化は,紫外線(B領域)により進行する可逆的反応として表現した.また,土壌中における主要な代謝分解物の生成・消失を逐次の一次反応として表現した.改良したモデルの検証を行うため,水田ライシメータや水田圃場におけるピリミノバックメチルおよび主要な代謝分解物の消長を実測した.改良型PADDYモデルは,E体とZ体間の光異性化反応を考慮することにより,田面水および土壌中におけるピリミノバックメチルの挙動を精度よく予測することができた.また,主要な代謝分解物についても予測できることが示された.


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