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Inhibition of electrophysiological response to the pheromone of the fall armyworm, Spodoptera frugiperda
ヨトウガ(fall armyworm, FAW)の一種であるSpodoptera frugiperda(Lepidoptera: Noctuidae)を制御する新手法を探るため,我々は3-オクチルチオ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オン(3-octylthio-1,1,1-trifluoropropan-2-one, OTFP)によるフェロモンに対する電気生理学的応答(EGA応答)の抑制を検討した.トリフルオロメチルケトン類の一種として,OTFPはセリンエステラーゼ,特に昆虫触角のセリンエステラーゼの強力なインヒビターである.触角レセプターをOTFPの蒸気に曝すことによって,フェロモンに対するEGA反応の強度および再分極に要する総時間の2/3の値(2/3 RT)はともに低下した.このOTFPによる低下効果は可逆的で,OTFP処理を解除することによって,EGA反応の強度および再分極時間はともに回復した.非フッ素化類縁体3-オクチルチオプロパン-2-オン(3-octhylthiopropan-2-one, OTP)は,フェロモンに対するEGA反応の強度にも2/3 RTにも影響が無く,この種の化合物におけるフッ素原子の重要性を示唆した.本研究の結果は,将来に向けてFAW制御におけるOTFPの応用に結び付くであろう. (文責:編集事務局) |