日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻1号

Development of insecticide resistance in Culex quinquefasciatus mosquito from different locations in India
インド各地におけるネッタイイエカCulex quinquefasciatusの殺虫剤抵抗性


Devi Shankar Suman, Sachin N. Tikar, Brahma Dutta Parashar, Shri Prakash

日本農薬学会誌 35, 27-32 (2010) [抄録/PDF]

ネッタイイエカCulex quinquefasciatusは,リンパフィラリア症の主要媒介体として知られている.ここでは,インドにおけるネッタイイエカCulex pipiens quinquefasciatus Say, 1823の4種,Jodhpur(JD),Bikaner(BKN),Jamnagar(JMN)およびBathinda(BTH)を用いて,実験室で飼育している感受性種と比較しながら,テメホス,フェンチオン,Bacillus thuringiensis israilensisとNeemarin(主成分アザディラクチン)などの殺幼虫剤,およびシペルメトリン(cypermethrin),アルファシペルメトリン(alpha cypermethrin)とラムダシハロトリン(lambda cyhalothrin)などの殺成虫剤に対する抵抗性について報告する.野外種と実験室種の間のLC50について抵抗性比(RR)を表した.JD種は,テメホス,フェンチオン,Neemarinおよびシペルメトリンに対して,それぞれ10.8,6.94,5.29と2.82倍の抵抗性を示した.BTH種は,テメホス,フェンチオン,ラムダシハロトリン,アルファシペルメトリンとシペルメトリンに対して抵抗性を示した(それぞれ9.06,2.06,3.33,4.96と3.19倍).BKN種において,テメホス,フェンチオン,NeemarinおよびアルファシペルメトリンのRRはそれぞれ5.17,4.12,4.33と3.04倍であった.しかし,JMN種においては,アルファシペルメトリンとフェンチオンを除いたほとんどの殺虫剤においてRRは低かった.本研究の結果は,フェンチオンとテメホス抵抗性種のC. quinquefasciatusに対して,幼虫の制御にB. thuringiensis israilensisと Neemarinは効果的で,成虫の制御にはラムダシハロトリンとシペルメトリンの有効であることを示した. (文責:編集事務局)


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