日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻2号

Analysis and evaluation of pyrethroid exposure in human population based on biological monitoring of urinary pyrethroid metabolites
尿中代謝物の生物学的モニタリングによるピレスロイド系殺虫剤のヒト集団曝露量分析と評価について


Jun Ueyama, Isao Saito, Michihiro Kamijima
上山 純,斎藤 勲,上島通浩


日本農薬学会誌 35, 87-98 (2010) [抄録/PDF]

現在,ヒトにおける低用量のピレスロイド系殺虫剤曝露に関するリスク評価は,一般には食事からの残留農薬摂取量評価により行われている.ヒトを対象とした研究から得た個人曝露レベルに関する情報は少ないが,それはピレスロイド曝露の生物学的モニタリングが容易でないことに理由の一端がある.この障壁は近年,分析化学の進歩により克服されるようになった.高速液体クロマトグラフ質量分析計やガスクロマトグラフ質量分析計を用いることにより,ピレスロイド系殺虫剤の尿中代謝物の分離及び高感度の定性・定量を,今日では確実に行うことができる.本総説では,尿中ピレスロイド代謝物の生物学的モニタリングについて全体像を提示するとともに,一般生活者集団における尿中代謝物量に関する報告を整理する.そして,環境衛生学領域におけるこのモニタリング研究の将来展望について述べる.


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