日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻3号

The contribution of pyrethroid pesticides to sediment toxicity in four urban creeks in California, USA
カルフォルニア州の四つのアーバンクリークにおける毒性蓄積とピレスロイド系農薬の関係


Bryn M. Phillips, Brian S. Anderson, Jennifer P. Voorhees, John W. Hunt, Robert W. Holmes, Abdou Mekebri, Valerie Connor, Ron S. Tjeerdema

日本農薬学会誌 35, 302-309 (2010) [抄録/PDF]

カリフォルニア州全体のアーバンクリークにおける毒性蓄積とピレスロイド系農薬の評価を行うため,カルフォルニア州のいろいろな地点でスクリーニングを行われた.その結果,30地点において,ピレスロイド系農薬が生物に対して影響を与えていることが認められた.そのうち,4地点において,さまざまな濃度のピレスロイドを含む堆積物を採取し,毒性同定評価法(TIEs)で毒性が調べられた.全堆積物の処理では,有機物や金属を除去するため交換樹脂を添加し,ピレスロイド毒性を調節するための特殊処理では,カルボキシルエステラーゼの添加と,ピペロニルブトキシド(ピレスロイド共力剤)の添加を行った.間隙水のTIEでは,有機物や金属による毒性を減らすため,カラムによる固相抽出(SPE)を行い,ピレスロイドに対する特殊な処理も行った.全堆積物でのピレスロイド特殊処理の結果にはバラつきはあったが,間隙水の同じ処理ではピレスロイドの毒性への寄与が明らかになった.測定された全堆積物と間隙水のSPE抽出物におけるピレスロイドの濃度は高く,毒性への寄与は明確であった.(文責:編集事務局)


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