日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻4号

Sensitivity of Japanese Fusarium graminearum species complex isolates to metconazole
メトコナゾールに対する日本産麦類赤かび病菌(Fusarium graminearum種複合体)の感受性


Hideaki Tateishi, Taiji Miyake, Masaru Mori, Rie Kimura, Yoneko Sakuma, Toshihide Saishoji
竪石秀明,三宅泰司,森 勝,木村理恵,佐久間米子,最勝寺俊英


日本農薬学会誌 35, 419-430 (2010) [抄録/PDF]

日本産麦類赤かび病菌(Fusarium graminearum種複合体)のメトコナゾールに対するMIC値は0.20〜6.25mg/lの間に分布し,1.56 mg/lを頂点とする一峰性の分布を示した.また,PCR法によりF. asiaticum,F. graminearum s. str.の同定や,毒素生産性の判別を行って感受性との関連を調べた.菌の種類と地理的分布,種ごとの毒素生産性に特徴が見出されたが,種間,および異なる毒素生産性株間でMICは一定の範囲内に収まり,感受性に大きな差はないと思われた.感受性が異なる菌株のCYP51遺伝子をPCRにより増幅し,塩基配列を比較した結果,感受性の差は標的酵素であるCYP51遺伝子の変異によるものではない可能性が示唆された.感受性の異なる菌株を接種し,防除効果を調べたところ,メトコナゾールはいずれの感受性の菌株に対しても高い効果を示した.


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