日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻4号

Hydrolysis and photolysis of insecticide metofluthrin in water
ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンの加水分解および水中光分解挙動


Masahiro Nishiyama, Yusuke Suzuki, Toshiyuki Katagi
西山真弘,鈴木祐介,片木敏行


日本農薬学会誌 35, 447-455 (2010) [抄録/PDF]

家庭防疫用ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンの水中分解性を検討した結果,pH 4および7において加水分解を受けにくいものの,pH 9では半減期36.8日(25)で緩やかに分解した.主な加水分解経路はエステル結合の開裂であり,25-50℃における加水分解速度定数からArrehnius式を用いて算出した活性化エネルギーは105 kJ mol21であった.一方,キセノンランプ光照射下では半減期1.1-3.4日と非常に速やかに分解され,主にエステル結合の開裂と酸側propenyl基の酸化反応が進行し,最終的に14CO2にまで無機化された.特に,エステル結合を保持した構造として同定された主要分解物は,酸側propenyl基の酸化的開裂により生成したアルデヒド体およびカルボン酸体,ならびにエポキシドのような中間体を経由して生成すると考えられるジオール体であった.


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