日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻4号

Determination of herbicide clopyralid residues in crops grown in clopyralid-contaminated soils
除草剤クロピラリド残留堆肥を施用して栽培した作物体におけるクロピラリド残留量の把握


Rena Saito, Ozora Ikenaga, Satoru Ishihara, Hitoshi Shibata, Takashi Iwafune, Tsuyoshi Sato, Yukio Yamashita
斎藤玲奈,池長 宙,石原 悟,柴田 仁,岩船 敬,佐藤 強,山下幸夫


日本農薬学会誌 35, 479-482 (2010) [抄録/PDF]

クロピラリドの作物残留分析法を検討するとともに各種作物における汚染堆肥を経由した残留量を明らかにし,食品の残留基準値遵守の観点からクロピラリドを含む堆肥の適正な施用方法等を検討した.pHによる溶解度の違いを利用した前処理およびLC/MS/MS測定によるクロピラリドの作物残留分析法を確立し,クロピラリド残留堆肥を施用した土壌で栽培した6作物(キャベツ,レタス,カブ,ホウレンソウ,ブロッコリーおよびコマツナ)における作物残留試験を実施した.その結果,残留濃度が0.01 mg/kg以上となるクロピラリドの残留がカブ(根および葉),ホウレンソウ,ブロッコリーおよびコマツナで認められ,栽培期間の短い作物で残留濃度が高い傾向にあった.基準値と残留濃度の比較から,残留基準の定められている作物については基準値を超える危険性は極めて低いと考えられたが,一律基準(0.01 mg/kg)が適用される作物では基準値を超える危険性が示唆された.


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