日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻1号

Abamine as a basis for new designs of regulators of strigolactone production
ストリゴラクトン生産制御剤設計のための基本構造となるアバミン


Nobutaka Kitahata, Shinsaku Ito, Atsutaka Kato, Kotomi Ueno, Takeshi Nakano, Kaori Yoneyama, Koichi Yoneyama, Tadao Asami
北畑信隆,伊藤晋作,加藤敦隆,上野琴巳, 中野雄司,米山香織,米山弘一,浅見忠男


日本農薬学会誌 36, 53-57 (2011) [抄録/PDF]

カロテノイド開裂酵素ファミリーに属するNCEDはアブシシン酸生合成経路における律速段階であり,アバミンはこの酵素を阻害する最初の薬剤として知られている.しかしアバミンはNCED以外の酵素を阻害することで有用性を示す可能性があることも報告されている.新しく知られるようになった植物ホルモンであるストリゴラクトンの生合成経路にはカロテノイド開裂酵素が関わっていることが明らかにされたために,われわれはアバミンがこの酵素を阻害する可能性を考えた.そこでアバミン処理した植物について,植物が生産するストリゴラクトン量変化について調べるとともに,宿主植物より滲出されるストリゴラクトンにより発芽促進される寄生雑草の発芽率変化をアバミン処理したタバコと共培養した場合について調べた.その結果アバミンはストリゴラクトン滲出量,寄生雑草発芽率ともに低下させる活性があることを明らかにした.


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