日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻1号

Validation of multi-residue method for determination of pesticides in meat products using official guideline of analytical methods in Japan
厚生労働省ガイドラインによる食肉中残留農薬一斉分析法の妥当性評価


Tomofumi Matsuoka, Yumi Akiyama, Takao Mitsuhashi
松岡智郁,秋山由美,三橋隆夫


日本農薬学会誌 36, 73-78 (2011) [抄録/PDF/電子付録]

食肉中残留農薬185種の多成分一斉分析法の妥当性評価を行った.筋肉試料から酢酸エチルミシクロヘキサン(1 : 1)で抽出後,GPCとPSAミニカラムおよびシリカゲルミニカラムを用いた固相抽出により精製し,GC/MSおよびLC/MSで測定を行った.妥当性評価は厚生労働省より示されたガイドライン(食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン)に従って実施した.その結果,農薬185種のうち170種がガイドラインの目標値に適合し,定量限界値はすべて0.01 ppmを満足した.国産食肉36検体のモニタリング検査に本法を適用したところ,豚肉からp,p'-DDEとp,p'-DDTが,牛肉からp,p'-DDEが痕跡値で検出されたが,その他の検体については,全て残留は認められなかった.本分析法は食肉中残留農薬の多成分一斉分析法として有用であることが確認できた.


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