日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻2号

Efficacy of probenazole for control of southern corn leaf blight
トウモロコシごま葉枯病防除に対するプロベナゾールの効果


Ken-Haow Yang, Chien-Jui Huang, Yi-Hung Liu, Chao-Ying Chen

日本農薬学会誌 36, 235-239 (2011) [抄録/PDF]

トウモロコシごま葉枯病はトウモロコシにおける重要な葉の病害であり,その防除は耐性品種の栽培や殺菌剤の使用に頼っている.Manebはトウモロコシごま葉枯病の有効な殺菌剤であるが,残留物のヒトの健康や環境への有害性についての懸念からその使用は制限されつつある.本研究では,トウモロコシごま葉枯病を防除する為の代替的なアプローチを,非殺菌性植物抵抗性誘導剤(plant activator)であるプロベナゾールを用いて検討した.温室環境下では,プロベナゾールはトウモロコシごま葉枯病を効率よく制御した.また,実用性を検討するため,野外実験で実用可能な使用量(1.8 kg a.i./ha)を用いて検討した結果,トウモロコシごま葉枯病を有効に抑制することが分かった.さらに,トウモロコシの生長に及ぼすプロベナゾールの影響についても調べた結果,プロベナゾールで処理したトウモロコシにおいて,葉の長さ,葉の幅,草丈,新鮮重および乾燥重は全て未処理のトウモロコシと変わらなかった.これらの結果より,プロベナゾールはトウモロコシごま葉枯病の防除に使用できることが示唆された. (文責:編集事務局)


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