日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻2号

Toxicity of ethyl acetate extract and ricinine from Jatropha gossypifolia senescent leaves against Spodoptera exigua Hübner (Lepidoptera: Noctuidae)
トウダイグサ科ヤトロファゴシピフォリア(Jatropha gossypifolia)の老化葉からの酢酸エチル抽出物およびリシニンのシロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Hübner(Lepidoptera: Noctuidae))に対する毒性


Vasakorn Bullangpoti, Nutchaya Khumrungsee, Wanchai Pluempanupat, Yooichi Kainoh, Unchalee Saguanpong

日本農薬学会誌 36, 260-263 (2011) [抄録/PDF]

シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Hübner)はタイの栽培野菜において,もっとも重要な害虫である.シロイチモジヨトウの2齢幼虫に対してディッピング法および薬剤散布法を用いて,ヤトロファゴシピフォリア老化葉の酢酸エチル抽出物処理の24時間後のLC50値を求めた.2齢幼虫期は,植物から植物へ移動する時期で,毒性試験に対して感受性期である.さらにリシニンは酢酸エチル粗抽出物から単離された主なアルカロイドで,薬剤散布法では2齢幼虫に毒性を示した.そのLC50値は3,215ppmで,一方酢酸エチル抽出物のLC50値は8,644ppmであった.従って,ヤトロファゴシピフォリア老化葉の酢酸エチル抽出物はリシニンを有効成分とし,シロイチモジヨトウに対する化学殺虫剤の代替品として利用できるであろう. (文責:編集事務局)


Back