日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻3号

Photodegradation of insecticide metofluthrin on soil, clay minerals and glass surfaces
ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンの土壌,粘土鉱物およびガラス表面光分解挙動


Hirohito Nishimura, Yusuke Suzuki, Masahiro Nishiyama, Takuo Fujisawa, Toshiyuki Katagi
西村博仁,鈴木祐介,西山真弘,藤澤卓生,片木敏行


日本農薬学会誌 36, 376-384 (2011) [抄録/PDF]

土壌,粘土鉱物およびガラス表面上に処理された家庭防疫用ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンは,キセノンランプ光照射下において速やかに分解された.主な光分解経路は,酸側プロペニル基の二重結合部位の酸化反応およびエステル結合の開裂であり,最終的に14CO2まで無機化された.なお,光異性化の寄与は小さいものであった.エステル結合を保持した主要分解物は,オゾン酸化により生成したオゾニド体を経由したアルデヒド体,カルボン酸体,ならびにエポキシド体を経由したジオール体であり,分解にはオゾンおよび過酸化水素が深く関与していることが推定された.


Back