日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻4号

Interaction between 2,6-diisopropylphenoxyacetic acid (DIPA) and plant growth regulators on shoot growth and flowering of a perennial aquatic plant, Sagittaria pygmaea
2,6-ジイソプロピルフェノキシ酢酸(DIPA)と植物成長調節剤が多年生水田雑草ウリカワ(Saggitaria pygmaea)の成長と開花に与える相互作用


Takumi Yoshimura, Hitoshi Kuramochi, Koichi Yoneyama, Shigefumi Kuwahara
吉村 巧,倉持仁志,米山弘一,桑原重文


日本農薬学会誌 36, 481-485 (2011) [抄録/PDF]

2,6-ジイソプロピルフェノキシ酢酸(DIPA)がジベレリン(GAs)と同様に多年生水田雑草ウリカワ(Saggitaria pygmaea)の成長と開花を促進することを見出した.本論文では,2,4-D, S-アブシジン酸(S-ABA),エテホン,ベンジルアデニン(BA),GA生合成阻害剤(パクロブトラゾールとプロヘキサジオン)などの植物ホルモン様活性を有する植物成長調節剤が,単独またはDIPAと混合して処理することで,ウリカワの実生の成長と開花に対してどのような影響を及ぼすかを調べた.2,4-Dは,ウリカワの生育を阻害するのと同時に葉数を増加させ,DIPAによって誘導される実生の伸長を減少させた.エテホンは,雑草の生育を促進させた.ウリカワの開花に対しても,2,4-DはDIPAによる促進効果を抑制した.対照的にエテホンはわずかに促進効果を高めた.これらの結果は,GAsに加えてオーキシンとエチレンも,ウリカワの実生成長と開花に何らかの役割を果たしていることを示している.


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