日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文36巻4号

Application of multi-residue analytical method for determination of 496 pesticides in frozen gyoza dumplings by GC-MS and LC-MS
GC-MSおよびLC-MSを用いた冷凍餃子中残留農薬一斉分析法の妥当性評価


Tomofumi Matsuoka, Yumi Akiyama, Takao Mitsuhashi
松岡智郁,秋山由美,三橋隆夫


日本農薬学会誌 36, 486-491 (2011) [抄録/PDF/電子付録]

既存の農産物中残留農薬一斉分析法を加工食品中の一斉分析法として適用するために,冷凍餃子を用いて検証を行った.アセトニトリルで抽出後,ODSミニカラムおよびPSAミニカラムを用いた固相抽出により精製し,GC-MSおよびLC-MSで測定を行った.妥当性評価は厚生労働省より示されたガイドライン(食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン)に従って実施した.その結果,農薬496種のうち432種がガイドラインの目標値に適合し,それらの定量限界値はすべて0.01 ppmを満足した.冷凍餃子11検体のモニタリング検査に本法を適用したところ,8検体から14種農薬が痕跡値(0.01 ppm未満)から0.11 ppmの残留値で検出されたが,これらは基準値に適合した原材料に由来するものと考えられた.本分析法は冷凍餃子中残留農薬の多成分一斉分析法として有用であることが確認できた.


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