日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻2号

A novel soil-type biopesticide KNB422-soil against rice seedling diseases
イネ育苗時病害に対する新規培土型微生物農薬「KNB422培土」


Taiji Miyake, Hideaki Tateishi, Yoneko Sakuma, Toshihide Saishoji
三宅泰司,竪石秀明,佐久間米子,最勝寺俊英


日本農薬学会誌 37, 129-134 (2012) [抄録/PDF/電子付録]

Talaromyces sp. KNB422は,イネ育苗時病害に対して高い防除効果を有する糸状菌である.本菌を混合した育苗培土(以下KNB422培土)をイネ育苗用の培土として用いた結果,ばか苗病,いもち病,苗立枯細菌病,もみ枯細菌病などの種子伝染性病害に対して高い防除効果を示した.また育苗時に発生する土壌伝染性病害であるリゾプス,ピシウム,トリコデルマ,フザリウム菌による苗立枯病に対しても化学農薬と同等の高い防除効果を示し, KNB422培土の使用によって種子伝染性病害と土壌伝染性病害の双方を防除できた.温湯浸漬処理との併用によってばか苗病に対する防除効果がより一層安定することから,併用は化学農薬に依存しない効果的な植物保護技術として適当であると考えられた.KNB422培土は化学農薬の使用回数削減と同時に,種子消毒,土壌消毒および種子消毒液の廃液処理の省略をもたらし,省力化にも貢献する新しいタイプの生物農薬になり得ると考えられた.


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