日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻3号

Antifungal activity of simple compounds with maleic anhydride or dimethylmaleimide structure against Botrytis cinerea
無水マレイン酸またはジメチルマレイミド構造を含む化合物群の灰色かび病菌(Botrytis cinerea)に対する殺菌活性


Wei Li,Yongxian Fan,Zhenzhong Shen,Xiaolong Chen,Yinchu Shen

日本農薬学会誌 37, 247-251 (2012) [抄録/PDF]

無水マレイン酸やマレイミド構造を含む化合物が顕著な抗菌活性を示すこと、および、マレイミド誘導体の多くは動物毒性を殆ど示さないことが知られている。そこで、44関連化合物を購入または合成し、Botrytis cinereaに対する抗菌活性を検討したところ、殆どの化合物で活性が認められた。2,3-ジメチル無水マレイン酸は、無水マレイン酸構造を持つ27化合物中で最強の殺菌活性(MIC = 3µg/mL)を示した。一方、17のマレイミド誘導体の中では、N-3,5-ジクロロアニリン-3,4-ジメチルマレイミドが最強の活性(MIC = 0.1 µg/mL)を示し、それはジクロランに匹敵するものであった。更に本実験データから、無水マレイン酸誘導体における極性および立体障害がその活性に影響を与えることも示された。(文責:編集事務局)


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