日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文37巻4号

Probabilistic assessment of herbicide runoff from Japanese rice paddies: The effects of local meteorological conditions and site-specific water management
日本の水田における除草剤の流出に関する確率論的評価: 地域における気象および水管理特性が及ぼす影響について


Kei Kondo, Julien Boulange, Thai Khanh Phong, Kazuaki Hiramatsu, Tsuyoshi Inoue, Hirozumi Watanabe
近藤 圭,Julien Boulange,Thai Khanh Phong,平松和明,井上 剛,渡邊裕純


日本農薬学会誌 37, 312-322 (2012) [抄録/PDF]

本研究では,農薬動態予測モデルであるPCPF-1モデルとモンテカルロシミュレーションを用いて日本の水田における除草剤流出抑制のための水管理評価を行った.まず,全国5都市における10年間の気象データを用いて,標準的な水管理シナリオのもとモンテカルロシミュレーションを行った.この結果から水管理手法が農薬流出低減に効果的であることが確認されたが,西日本では大きな農薬流出の可能性が示唆された.この結果を受けて,現地調査をもとにした茨城県桜川流域,福岡県筑後川流域における気象,水管理データを用いた,より詳細な農薬流出低減のための水管理解析を行った.この結果により,筑後川流域では,適切な間断灌漑の履行などを行っても多量の農薬が流出する可能性があることがわかった.また,感度解析によって水管理パラメータが農薬流出に及ぼす影響を定量化し,水田水管理と除草剤流出との関係性を明らかにした.


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