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Comparison of acute toxicity of two neonicotinoid insecticides, imidacloprid and clothianidin, to five cladoceran species
日本で普及している新旧ネオニコチノイド系殺虫剤(イミダクロプリドおよびクロチアニジン)が5種のミジンコ類に及ぼす急性毒性の違いを明らかにするとともに,ミジンコ類とそのほかの水生生物の種の感受性分布(SSD)パターンの違いを検討した.両殺虫剤に対するミジンコ類の感受性は共通しており,Ceriodaphnia属>Daphnia属>Moina属の順で高かった.種の感受性分布を用いて5%の種が影響を受ける濃度(HC5)を計算した結果,イミダクロプリドではミジンコ類がそのほかの水生生物より500倍高かったが,クロチアニジンにおいては,両生物群のHC5濃度に2000倍の差が見られ,クロチアニジンはイミダクロプリドより4倍ミジンコ類に対してのみ安全性が高くなっていることが明らかとなった.このことから,ネオニコチノイド系殺虫剤による非防除対象の水生生物への生態リスクを評価するにあたっては,ミジンコ類を用いた急性毒性試験結果からでは,必ずしも精確な評価ができないと考える. |