日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Creation of herbicide-tolerant crops by gene targeting
標的遺伝子組換えによる除草剤耐性作物の作出


Masaki Endo, Seiichi Toki
遠藤 真咲,土岐 精一


Journal of Pesticide Science 38, 49-59 (2013) [抄録/PDF]

グリホサート抵抗性作物をはじめとして,遺伝子組み換えで作られた除草剤耐性作物のいくつかは広く栽培されているが,その種類は余り多くない.その原因の一つに,遺伝子組換え作物は,商業栽培の認可を得るために膨大な時間と資金がかかることが挙げられる.一方,突然変異育種で作出された非組換え除草剤耐性作物ではそのような問題は少ないが,標的遺伝子に目的の変異が生じる確率は低く,その作出は容易ではない.これら二つの除草剤耐性作物作出法の問題を解決する方法として,相同組換えを利用した標的遺伝子組換え(ジーンターゲッティング)がある.本総説では,異なる方法で作出された除草剤耐性作物の例を紹介するとともに,それぞれの方法のメリット,デメリットとを比較する.またジーンターゲッティングのメカニズムや,標的遺伝子組換えで導入可能な除草剤耐性変異の例についても紹介する.


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