日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Acute aquatic toxicity of metofluthrin metabolites in the environment
殺虫剤メトフルトリンの環境中代謝物における水生生物急性毒性


Mitsugu Miyamoto, Akiko Fujiwara, Hitoshi Tanaka, Toshiyuki Katagi
宮本 貢, 藤原 彰子, 田中 仁詞, 片木 敏行


Journal of Pesticide Science 38, 173-180 (2013) [抄録/PDF]

ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンの環境中で酸化やエステル開裂により生成しうる主要な8代謝物について,水生生物急性毒性をファットヘッドミノー,オオミジンコ,ムレミカズキモを用いて行った.代謝物の毒性は魚96hr LC50値0.44〜>120 mg/L,ミジンコ48-hr EC50値6.3〜>120 mg/L,藻類96-hr EyC50値2.6〜>110 mg/L と大きく変動したがメトフルトリンよりも顕著に弱い毒性を示し,ピレスロイド高感受性生物の魚やミジンコで100倍以上,ピレスロイド低感受性生物の藻類で10倍以上毒性が弱まった.エステル開裂や酸化による構造変化により代謝物の水生生物急性毒性は顕著に変化した.その脂溶性の低下により代謝物は全般に顕著に弱い毒性を示したが,その程度は毒性を有するホルミル基や高酸性を引き起こすカルボキシル基など導入された特異官能基に依存した.


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