日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Effect of application timing of metconazole on Fusarium head blight development and mycotoxin contamination in wheat and barley
コムギおよびオオムギにおけるメトコナゾールの散布時期が赤かび病防除効果と穀粒中のマイコトキシン濃度に及ぼす影響


Hideaki Tateishi, Taiji Miyake, Masaru Mori, Yoneko Sakuma, Toshihide Saishoji
竪石秀明,三宅泰司,森 勝,佐久間米子,最勝寺俊英


Journal of Pesticide Science 39, 1-6 (2014) [抄録/PDF]

圃場においてメトコナゾール剤の散布時期を変えて1回と2回散布区を設け,コムギおよびオオムギの赤かび病防除効果と収穫穀粒中のDON濃度を調べた.コムギでは1回散布区では開花盛期の散布が最も発病が少なく,開花盛期とその後の計2回の散布区では赤かび病防除効果はほぼ同等であった.穀粒中のDON濃度は1回,2回散布区とも乳熟期に散布した場合が最も低かった.赤かび病の病徴の抑制には開花盛期の散布が,DONの抑制には乳熟期の散布が最適であることが推察された.オオムギでは1回散布区では赤かび病の防除効果,DON抑制効果とも開花盛期の散布が最も高かった.2回散布区では,防除効果は開花盛期の1回散布区と同 程度であったが,DON濃度はさらに低かった.メトコナゾール剤の開花期の散布は赤かび病の発病抑制に大きく寄与する開花期を中心とし,乳熟期以降の散布を加えることはさらにDON濃度の抑制に有効であることが示唆された.


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