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Action mechanism of the novel rice blast fungicide tolprocarb distinct from that of conventional melanin biosynthesis inhibitors 新規浸透移行性イネいもち病殺菌剤、トルプロカルブの作用機構について検討した。トルプロカルブはイネいもち病菌の菌糸を白化させるが、その白化作用はシタロンまたは1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレンの添加により回復した。この結果からトルプロカルブの作用点がメラニン合成経路でポリケチドの合成とペンタケチドの環化に関わるポリケチド合成酵素 (PKS)であることが示唆された。さらに、我々はイネいもち病菌のPKS遺伝子を発現する遺伝子組換コウジカビ菌を作成し、この遺伝子組換コウジカビ菌の膜画分とトルプロカルブおよび従来のメラニン合成阻害剤を用いてin vitroでPKS阻害活性測定を行った。その結果、トルプロカルブだけがPKSの活性を阻害した。これらの結果はトルプロカルブの作用点がイネいもち病菌のPKSである事を示しており、この作用点は従来のメラニン合成阻害剤とは異なるものである。 |