日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan

Association between the R81T mutation in the nicotinic acetylcholine receptor β1 subunit of Aphis gossypii and the differential resistance to acetamiprid and imidacloprid
ワタアブラムシのニコチン性アセチルコリン受容体β1サブユニットのR81T変異とアセタミプリドおよびイミダクロプリドに対する異なる抵抗性との関連


Koichi Hirata, Ryutaro Kiyota, Akira Matsuura, Satoshi Toda, Atsushi Yamamoto, Takao Iwasa
平田 晃一、清田 隆太郎、松浦 明、土田 聡、山本 敦司、岩佐 孝男


Journal of Pesticide Science 40, 25-31 (2015) [抄録/PDF]

ネオニコチノイド系殺虫剤は,近年様々な農業害虫で抵抗性が問題となっている.最近になって宮崎県でもネオニコチノイドに高い抵抗性を示すワタアブラムシが発見されている.このワタアブラムシは,殺虫試験で高いネオニコチノイド抵抗性を示したが,分子構造によって抵抗性の度合いが異なっていた.このワタアブラムシは,β1サブユニットのネオニコチノイド結合部位にR81T変異を有していた.この変異がネオニコチノイドのアゴニスト活性に与える影響を電気生理学的手法によって解析したところ,イミダクロプリドのpEC50は有意に変化したが,アセチルコリンとアセタミプリドでは有意差は認められなかった.これらの結果から抵抗性の主なメカニズムは作用点変異であり,また抵抗性の度合いが異なるのは,作用点レベルで変異の影響が異なるためであると推察された.


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