日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文25巻3号

Microbial Degradation of Herbicide Pentoxazone in Soils
土壌中における除草剤ペントキサゾンの微生物分解


Kouji SATSUMA, Osamu HAYASHI, Kiyoshi SATO, Motoo HASHIMURA, Yasuhiro KATO
薩摩孝次,林  靖,佐藤 清,橋村元雄,加藤保博


日本農薬学会誌 25, 201-206 (2000)

ベンゼン環を14Cで標識したペントキサゾンを2種類の日本産水田土壌に処理し,湛水条件下でその代謝分解を追跡した.ペントキサゾンは処理後穏やかに分解されて様々な代謝物を生じ,最終的には二酸化炭素へと無機化された.14CO2の発生量は施用量の約23%(山形土壌)および8%(牛久土壌)であった.湛水土壌を滅菌すると14CO2の発生はみられず,ペントキサゾンの分解速度は非滅菌に比べ明らかに遅くなった.このことからペントキサゾンの分解の大部分と無機化は土壌微生物の作用であることがわかった.湛水土壌での主な分解経路は,A-0089への還元,加水分解によるオキサゾリジン環の開裂によるA-0505の生成とそのA-1374への還元,酸化的脱シクロペンチルによるA-1347の生成であった.一方,畑条件下で同様の実験を行ったところ,施用した放射性ペントキサゾンは14CO2の発生を伴って速やかに減少し,代謝物としてA-1347とその水酸基のメチル化体であるA-1292が少量検出された.このことから,ペントキサゾンは主に好気性菌によって無機化されることが示唆された.
* 除草剤ペントキサゾンの微生物分解(第2報)


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