日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文25巻3号

Synthesis and Precocious Metamorphosis-Inducing Activity of 3-(1-Alkenyl) pyridines
3-(1-アルケニル)ピリジンの合成と早熟変態誘起活性


Tetsuya YOSHIDA, Takahiro SHIOTSUKI, Eiichi KUWANO
吉田徹弥,塩月孝博,桑野栄一


日本農薬学会誌 25, 253-258 (2000)

1-アルケニル基を有する一連の3-ピリジン誘導体を合成し,カイコ4齢幼虫に対する早熟変態誘起活性を検討した.3-(2-メチル-1-フェニル-1-プロペニル)ピリジン(18)が最も高い早熟変態誘起活性を示し,エチレン基1位のフェニル基と2位の短いアルキル鎖の両方が活性に重要であった.化合物18によって誘導される早熟変態は幼虫期間の延長と体重の増加を伴った.また,この早熟変態は20-ヒドロキシエクダイソン及び幼若ホルモンアゴニストであるメソプレンのどちらによっても打ち消された.4齢起蚕に18を処理すると,5齢への脱皮に必要な体液中のエクジステロイドの増加が抑制された.これらのことから,18は抗エクジステロイドとして作用し,体液中のエクジステロイド量を一時的に低下させ早熟変態を誘導することが示唆された.


Back