日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文26巻3号

Efficacy of Acetamiprid Granule against Cotton Aphid on Cucumber Plants by Various Application Methods
アセタミプリド粒剤の各種施用法によるキュウリ寄生ワタアブラムシに対する効力


Hidemitsu TAKAHASHI, Kazuhiko MURAHASHI, Tomohiro TAKE, Makoto ASAI, Tomio YAMADA
高橋英光,村橋一彦,武  智広,浅井  真,山田富夫


日本農薬学会誌 26, 248-252 (2001)

アセタミプリドの非徐放性粒剤についてキュウリ寄生ワタアブラムシに対する植穴処理における処理方法の違いによる効力を比較したところ,粒剤を植穴に均一に処理しても,また植穴の中心にのみ処理してもほぼ同等の効力を得た.土壌表面処理では株元から粒剤処理位置までの距離が5,10,20cm範囲では,その距離が短いほど高い効力があった.この傾向は徐放性粒剤でも同様であり,対照薬剤との比較では,アセフェートと同様であった.一方,ベンフラカーブでは処理20日以降では処理位置5cmに比べ20cmのほうが優り,前述の2薬剤とは傾向を異にした.これは,薬剤の水溶性の違いによる土壌中での移動の差によるものと考えられた.灌水量と効力の関係は,植穴処理(植え穴に粒剤を均一に処理)および土壌表面処理(株元から10cmの位置に円状に処理)について多灌水区,少灌水区を設けて効力を検討したところ,植穴処理では少灌水区>多灌水区,表面処理では多灌水区>少灌水区で,総じて植穴処理>土壌表面処理であった.植穴処理の多灌水区のアブラムシに対する効力が少灌水区のそれに劣ったのは,粒剤から溶出した原体成分が根から吸収できる範囲外へも移動してしまったためと考えられた.さらに,徐放性粒剤を用いて,灌水量,土壌の違いによる効力の温室内ポット試験結果から,土壌の違いにより灌水量と効力の関係が異なることが判明した.


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