日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文27巻1号

Herbicidal Activity and Characteristics of Pyraflufen-ethyl for Controlling Broad-leaved Weeds in Cereals
ムギ用広葉雑草防除剤ピラフルフェンエチルの除草活性と特性


Tsutomu MABUCHI, Yuzo MIURA, Takashi OHTSUKA
馬渕 勉,三浦友三,大塚 隆


日本農薬学会誌 27, 39-46 (2002)

ピラフルフェンエチルはprotoporphyrinogen oxidase (Protox) 阻害活性を有する新規の3‐フェニルピラゾール系除草剤である.温室試験では,ピラフルフェンエチルは茎葉処理において 0.3〜1 g a.i./haの薬量で広葉雑草に対して高い除草活性を示し,ムギ類に対する薬害はその10〜33倍の薬量でも極めて軽微であった.ピラフルフェンエチルの除草活性を既存のムギ用広葉雑草防除剤と比較すると,ビフェノック(Protox阻害),アイオキシニル(電子伝達系阻害),メコプロップ(オーキシン様活性)より明らかに高く,高活性除草剤として知られるカフェントラゾンエチル(Protox阻害)やメツルフロンメチル(ALS阻害)と同等以上であった.また,ピラフルフェンエチルは作用性の異なる除草剤と比較して殺草スピードが著しく速く,難防除強害雑草のヤエムグラに対して高活性を示す特長を有した.イギリスおよびフランスで行った圃場試験において,ピラフルフェンエチルは 6〜12 g a.i./haの薬量で,ムギに対して薬害を殆ど示さず,広葉雑草に対して高い除草効果を示すことが確認された.


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