日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文28巻2号

Synthesis of a Castasterone/Ponasterone Hybrid Compound and Evaluation of Its Molting Hormone-Like Activity
Castasterone/Ponasteroneハイブリッド化合物の合成と脱皮ホルモン様活性の評価


Bunta WATANABE, Yoshiaki NAKAGAWA, Hisashi MIYAGAWA
渡辺文太,中川好秋,宮川 恒


日本農薬学会誌 28, 188-193 (2003)

Castasterone/ponasteroneハイブリッド化合物(20R)-2α,-3α,20,22-tetrahydroxy-5α-cholestan-6-oneを,対応するα‐アルコキシスタンナンと6,6-ethylenedioxy-2α,3α-isopropylidenedioxy-5α-pregnan-20-oneより新規に合成した.鱗翅目昆虫由来のSf-9および双翅目昆虫由来のKc細胞への[3H]PonasteoneAの取り込み阻害を測定した結果,本ハイブリッド化合物の50%阻害濃度はKcおよびSf-9細胞に対してそれぞれ0.29µMおよび0.89µMであった.本化合物はponasteroneAの1/100〜1/200程度の取り込み阻害活性しか示さなかったものの,ecdysoneの10倍の活性を示した.また,Sf-9細胞に対しては,inokosteroneと同等の阻害活性を示した.本化合物の脱皮ホルモン様活性を,ニカメイチュウの培養表皮におけるキチン合成誘導系を用いて測定したところ,50%効果濃度はおよそ10μMであり,ecdysoneと同程度であった.


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