日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文28巻2号

Actions of Benzaldehyde Hydrazones and Semicarbazones on Biogenic Amine Receptors in the Silkworm Bombyx mori
ベンズアルデヒドヒドラゾンとセミカルバゾンのカイコ生体アミン受容体に対する作用


Md. Anwar Arfien KHAN, Yoshihisa OZOE
Md.AnwarArfienKhan,尾添嘉久


日本農薬学会誌 28, 194-199 (2003)

ベンズアルデヒドのヒドラゾン(HZ)4種とセミカルバゾン(SCZ)6種を合成し,昆虫の生体アミン受容体と相互作用してアデニル酸シクラーゼ活性を変化させる活性を調べた.合成した化合物のうち,フェニル基の4位に水酸基を持つ2化合物(HZ-01とSCZ-03)がカイコ5齢幼虫頭部膜画分のcAMPレベルを低下させることがわかった.SCZ-03は,フォルスコリンによるアデニル酸シクラーゼ活性化時に生じるcAMPレベルも濃度依存的に低下させた.また,生体アミンであるチラミンとドーパミンもcAMPレベルを低下させる活性を持っていた.ドーパミン受容体とチラミン受容体のアンタゴニストはSCZ-03の作用を打ち消した.以上の結果から,SCZ-03によるcAMPレベル低下はチラミン受容体とドーパミン受容体に対する非選択的アゴニスト作用によるものであると推察される.


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