日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文28巻4号

Determination of Organophosphorus Pesticide Residues in Onion and Welsh Onion by Gas Chromatography with Pulsed Flame Photometric Detector
パルス方式FPD付きガスクロマトグラフィーによるタマネギおよびネギ中の有機リン系農薬の分析


Eiji UENO, Harumi OSHIMA, Isao SAITO, Hiroshi MATSUMOTO, Hiroyuki NAKAZAWA
上野英二,大島晴美,斎藤 勲,松本 浩,中澤裕之


日本農薬学会誌 28, 422-428 (2003)

ネギおよびタマネギ中の有機リン系農薬の迅速分析法を検討した.試料からアセトニトリル抽出後,GPCおよびシリカゲル/PSAミニカラムによるクリーンアップを行い,パルス方式FPD付きGCにより測定した.GCおよびパルス方式FPD条件の最適化を図ることにより,従来型GC-FPDに比べてリンの硫黄に対する選択性が向上し,ネギおよびタマネギ由来の硫黄成分による妨害ピークの出現が大幅に減少した.特に,高感度化に伴い,試料液を試料濃度(0.25 g/ml)まで希釈することによって,ほとんどの妨害ピークが消失し,凍結リン酸処理などの前操作を省くことが可能となった.添加回収率は61〜105%,相対標準偏差は多くは10%未満,検出限界は2〜10 ppbであった.本法を市販ネギおよびタマネギに適用したところ,アセフェート,イソキサチオンなどの農薬が選択的に感度良く検出された.


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