日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻2号

Residue Analysis of the Fungicide Benthiavalicarb-isopropyl and Its Degradation Products in Upland Field Soil
殺菌剤ベンチアバリカルブイソプロピルおよび分解物の土壌残留分析


Hiroyuki Mizutani, Junko Suzuki, Yoshihiro Saito, Mitsumasa Ikeda, Akira Yagi
水谷浩之,鈴木淳子,斉藤芳宏,池田光政,箭木 昭


日本農薬学会誌 29, 87-95 (2004) [抄録/PDF]

殺菌剤ベンチアバリカルブイソプロピル,ジアステレオマー異性体S-Lおよび分解物M-1,M-3,M-4,M-5のHPLCによる土壌残留分析法を確立した.14C標識体処理土壌で抽出方法を検討し,M-4以外の化合物では含水アセトンに塩化アンモニウムを添加する還流抽出が最適であった.M-5はアセチル誘導体化したがそれ以外の化合物はそのまま固相カラムで精製し,HPLC分析した.長野土壌(沖積土)および牛久土壌(火山灰土)の定量限界はベンチアバリカルブイソプロピル,S-L,M-1,M-3で0.01 mg/kg,M-4で0.02 mg/kg,回収率は74%から113%(CV 0.6%〜9.8%)であった.M-5は,長野土壌では,定量限界0.02 mg/kgの回収率が101%(CV 8.9%)であったが,牛久土壌での回収率は低かった.ベンチアバリカルブイソプロピルは圃場土壌中で速やかに減少し,その半減期は長野土壌で19日,牛久土壌で41日であった.分解物は一時的に増加後,減少傾向が認められた.


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