日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻3号

Effective Control of Cabbage Black Rot by Validamycin A and Its Effect on Extracellular Polysaccharide-Production of Xanthomonas campestris pv. campestris
バリダマイシンAによるキャベツ黒腐病防除効果とXanthomonas campestris pv. campestrisの細胞外多糖類の生成に与える影響


Ryo Ishikawa, Mayumi Suzuki-Nishimoto, Atsushi Fukuchi, Kazuho Matsuura
石川 亮,鈴木(西本)真由美,福地 淳,松浦一穂


日本農薬学会誌 29, 209-213 (2004) [抄録/PDF]

バリダマイシンA(VMA)62.5 mg/mlの散布処理Xanthomonas campestris pv. campestris(Xcc)によるキャベツ黒腐病に対して,ポットおよび圃場試験で比較的高い防除効果を示した.VMA散布のキャベツ葉内のXccの数は,無処理と比較して少なかった.一方,イースト・ペプトン(YP)寒天培地上では,イーストエキスに含まれる種々の糖質の影響により,VMA添加の有無によるXccの増殖数に差は認められなかったが,細胞外多糖質(EPS)の産生量は,VMA添加により減少した.このEPSをキャベツ葉脈内に注入したところ,VMA添加培地からのEPSは,葉脈の黒変や葉の黄化などの病斑形成率が,VMA無添加培地のEPSより少ない傾向が認められ,VMAがEPSの病斑形成能に影響を与えたものと推察された.以上の結果より,VMAはキャベツ葉内の菌体増殖を抑制し,更に,Xccの病原性に関与すると考えられるEPSの量的,質的変化を与えることで病斑形成を抑制するものと推察された.


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