日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻4号

Responses to Neonicotinoids of Chicken α7 Nicotinic Acetylcholine Receptors: Effects of Mutations of Isoleucine 191 in Loop F to Aromatic Residues
ネオニコチノイドに対するリコンビナントヒヨコα7ニコチン性アセチルコリン受容体の応答:Loop Fにおけるイソロイシン191の芳香族アミノ酸への変異の影響


Masaru Shimomura, Kazuhiko Matsuda, Miki Akamatsu, David B. Sattelle, Koichiro Komai
下村 勝,松田一彦,赤松美紀,David B. Sattelle,駒井功一郎


日本農薬学会誌 29, 364-368 (2004) [抄録/PDF]

ヒヨコα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)はloop F領域にイソロイシンI191を持つのに対して,昆虫nAChRを構成するnon-αサブユニットの多くは対応するアミノ酸残基としてトリプトファン残基を持つ.そこで,ネオニコチノイドと昆虫nAChRとの相互作用におけるこの芳香族アミノ酸残基の役割を明らかにするために,ネオニコチノイドへのα7 nAChRの応答に対するI191W変異の影響を,I191FおよびI191Y変異の影響とともに検討した.その結果,ネオニコチノイドへのα7 nAChRの最大応答はI191F変異によって顕著に変化しないのに対して,I191WおよびI191Y変異によりそれぞれ増大および低下することを見出した.このことから,当該トリプトファン残基は昆虫nAChRとネオニコチノイドとの相互作用を強化する構造要因のひとつとして働くものと推察された.


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