日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻4号

A Method for Monitoring the Sensitivity of Botrytis cinerea to Mepanipyrim
メパニピリムに対する灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の感受性検定法


Makiichi Takagaki, Ichirou Miura, Kozo Nagayama
高垣真喜一,三浦一郎,永山孝三


日本農薬学会誌 29, 369-371 (2004) [抄録/PDF]

メパニピリムはアニリノピリミジン系殺菌剤であり,灰色かび病等に高い防除効果を発揮する.灰色かび病防除においては,新規薬剤が実用化されてもすぐに薬剤耐性菌が出現し,実防除上問題となることが多い.したがって,感受性検定方法を確立し,モニタリングによる薬剤感受性分布を常に把握しておく必要がある.簡便で安価な感受性検定方法としては,菌糸生育阻止試験が考えられるが,本剤は富栄養培地での菌糸生育阻止力はほとんど認められない.そこで,本剤の作用機構である宿主細胞壁分解酵素の菌体外への分泌阻害作用に着目し,今回考案した合成培地(FGA培地)上での菌糸生育阻止試験法を見出した.本法では,感受性菌と耐性菌のMIC値の差は30倍以上であり,感受性ベースラインはMIC値3 ppmと考えられた.再現性も高いことから,本法はメパニピリムに対する感受性検定方法として適当であると判断した.


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