日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻2号

地域特産農作物の残留農薬基準設定および登録農薬確保のための農作物の類型化 − うり科野菜類

殷 熙洙,荒尾知人,外窪周子,遠藤正造,上路雅子,石井康雄

日本農薬学会誌 30, 145-152 (2005)

キュウリ, ニガウリおよびズッキーニへのアセフェート, メタラキシル, イミダクロプリドおよびチアクロプリドの残留特性から作物の類型化の可能性を検討した.アセフェートの3作物の残留濃度は, 作物の茎葉部から果実への浸透移行性による極大が観察され, 最大濃度は散布3〜14日後に観察されたが, いずれも2ppm以下であった.代謝物メタミドホスは, 散布3〜14日後に濃度の極大が観察され, 生成量は対アセフェート比で概ね10%以下であった.メタラキシル, イミダクロプリドおよびチアクロプリドの3作物における残留農薬の減衰曲線は類似しており, 散布1日後の残留濃度は0.5ppm以下であり, 時間の経過とともに速やかに減衰した.アセフェート, メタラキシル, イミダクロプリドおよびチアクロプリドのキュウリ, ニガウリおよびズッキーニにおける残留特性は類似しており, キュウリをうり科野菜の代表として農薬の残留特性を評価することが可能である.


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