日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻4号

Flubendiamide, a Novel Insecticide Highly Active against Lepidopterous Insect Pests
鱗翅目害虫に高い活性を有する新規害虫防除化合物フルベンジアミド


Masanori Tohnishi, Hayami Nakao, Takashi Furuya, Akira Seo, Hiroki Kodama, Kenji Tsubata, Shinsuke Fujioka, Hiroshi Kodama, Takashi Hirooka, Tetsuyoshi Nishimatsu
遠西正範,中尾勇美,古谷 敬,瀬尾 明,児玉浩宜,津幡健治,藤岡伸祐,児玉 洋,廣岡 卓,西松哲義


日本農薬学会誌 30, 354-360 (2005) [抄録/PDF]

フルベンジアミド,N2-[1,1-dimethyl-2-(methylsulfonyl)-ethyl]-3-iodo-N1-[2-methyl-4-[1,2,2,2-tetrafluoro-1-(trifluoromethyl)ethyl]phenyl]-1,2-benzenedicarboxamideは,従来にはない特徴ある化学構造を有する新規害虫防除剤である.アニリン部分にはヘプタフルオロイソプロピル基を有し,もう一方のアミド部分はスルホニル基を有する脂肪族アミドであり,さらにフタル酸3位にはヨウ素が置換した極めて独自性の高い新規構造である.生物活性としては,特に鱗翅目害虫に対し極めて低薬量で高い防除効果を示す.既存農薬に対する抵抗性を発達させた害虫種にも感受性個体群と同様に高い効果を示し,虫体収縮などの作用症状も従来の剤と異なることから,新規な作用機構であることが示唆される.さらには標的害虫以外の生物種に高い安全性を有する.以上より,フルベンジアミドは今後の時代の要請に応えることのできる,新たな分類に属する鱗翅目害虫防除剤と言える.


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