日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻4号

Fungicidial Activity of Benthiavalicarb-isopropyl against Phytophthora infestans and Its Controlling Activity against Late Blight Diseases
ベンチアバリカルブイソプロピルのPhytophthora infestansに対する殺菌活性と疫病防除効果


Yutaka Miyake, Junetsu Sakai, Masaru Shibata, Norihisa Yonekura, Ichiro Miura, Kazuo Kumakura, Kozo Nagayama
三宅 裕,境 潤悦,柴田 卓,米倉範久,三浦一郎,熊倉和夫,永山孝三


日本農薬学会誌 30, 390-396 (2005) [抄録/PDF]

ベンチアバリカルブイソプロピルはシステミックな活性を有するアミノ酸アミドカーバメートに属する新規殺菌剤であり,ジャガイモやトマトなどの疫病に卓効を示し,メタラキシル耐性菌に対しても有効である.本剤はジャガイモ疫病菌の遊走子の放出や運動に対してほとんど影響しないものの,菌糸の生育,遊走子のうの直接発芽や被のう胞子発芽を強く抑え,遊走子のうの形成自体も低濃度で阻害することが明らかとなった.温室内試験により,本剤が予防活性,治療活性とともに浸達性を有しており,耐雨性や残効性も良好であることがわかった.また本剤は植物体内における篩管を介する下位葉から上位葉への移行はほとんど認められなかったが,導管を介した根部から地上部への吸収移行性は高かった.さらに圃場においては,25,75 g ai/haの低薬量でトマトおよびジャガイモ疫病に対して優れた防除効果を示した.


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