|
Concentration and loading of several pesticides in water, suspended solids and sediment during ordinary water discharge in Sugao marsh, Ibaraki Prefecture, Japan
平水時における,エスプロカルブ,チオベンカルブ,ジメタメトリン,プレチラクロール,シメトリンについて,水,懸濁物質および底質中の年間を通した濃度変動を茨城県菅生沼において調査した.その結果,水および懸濁物質中の農薬濃度変動は同様な傾向を示し,農薬のほとんどは溶存態として存在していた.農薬の懸濁物質への分配割合は中央値で0.37〜2.5%であった.また,懸濁物質による農薬負荷量が負荷量全体に占める割合は0.42〜4.6%であった.懸濁物質試料の細粒画分(0.5〜1.0 μm)中の農薬濃度は粗粒画分(1.0 μm以上)中のそれより高かった.そして,細粒画分による農薬負荷量は,全懸濁物質による負荷量の18から59%を占めていると見積もられ,細粒画分が農薬の移動担体として重要であることが示唆された.底質表層0〜5,5〜15 cmの試料中では農薬の垂直濃度分布に一定の傾向は認められず,底質中の農薬濃度には,水流による底質表層の撹乱が影響すると考えられた. |