日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻1号

Actions of imidacloprid, clothianidin and related neonicotinoids on nicotinic acetylcholine receptors of American cockroach neurons and their relationships with insecticidal potency
イミダクロプリド,クロチアニジンおよび関連するネオニコチノイドのワモンゴキブリの神経細胞に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に対する作用と殺虫活性との関係


Makoto Ihara, Laurence A. Brown, Chiharu Ishida, Hiroshi Okuda, David B. Sattelle, Kazuhiko Matsuda
伊原 誠,Laurence A. Brown,石田知春,奥田博史,David B. Sattelle,松田一彦


日本農薬学会誌 31, 35-40 (2006) [抄録/PDF]

ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)より調製した神経細胞に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対するクロチアニジン,イミダクロプリドおよび関連するネオニコチノイド類の作用をホールセルパッチクランプ法により測定し,これらの活性と殺虫活性との関係について検討した.ニトロメチレン構造を有するネオニコチノイドは,ニトロイミノ構造を有する化合物よりも低い濃度でnAChRを活性化し,イミダゾリジン環をもたない化合物は,本環構造をもつ化合物よりも大きな最大応答をnAChRに誘起した.イミダクロプリドはアセチルコリンが引きおこす細胞応答を約60%抑制するのに対して,試験した他のネオニコチノイドはそれよりも弱い抑制活性しか示さなかった.化合物の疎水性が支配する標的への移行性を考慮すると,このような多様な神経活性にもとづいてネオニコチノイドの殺虫活性の変動を説明することができると考えられた.


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